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熱血コラム

貸さない勇気について

2008.11.05

「家賃滞納増加」だけではなく、内容が悪質化しているらしい

アステム 世の中が不況になり、身近な生活の中でもそれを実感する機会が数多くみられるようになりました。

先日、社内研修の一環で、「賃貸住宅フェア2008in大阪」へ参加し、多くの講演を聞いてきましたが、現在の賃貸市況の抱える問題の筆頭に、その不況を象徴する「家賃滞納増加」が多くのセミナー議題にあげられ、沢山の聴衆が集まっていました。

数が増えているだけではなく、内容が悪質化しているそうです。

給食費の未払いが増えていることにも伺えるようなモラルの低下、消費者保護の風潮を逆手に取った悪い人たちの新手法も影響しているようです。

今回は、昨今テレビCMでも大々的に取り上げられる「敷金礼金なし」の仲介について私の考え方をお伝えしたいと思います。

「敷金礼金なし」商品の問題は「家賃滞納」

我々もたくさんの「敷金礼金なし」商品を自社の付加価値としてマーケットに提供しています。やはり根強い人気があり、多少家賃を高くしてもすぐ決まるのが手に取る実感です。

しかし、一方で問題もあります。

我々も他人事ではない「家賃滞納」です。

我々は当然に頭金が0円の場合は、リスク対策のため「保証会社」を併用します。たいていは入居者様に保証料の負担をお願いし、未払いがあっても家賃を保証してもらえるよう制度化しています。

(先日最大手の保証会社が破産したことで、全国的な混乱が巻き起こりました)

しかしながら問題なのは、明らかに支払える見込みのない借主を入居させ、保証会社の追い込みを傍観する我々の姿勢と言えます。

果たしてそれが真っ当な理念を持つ会社が行う業務なのかが疑問なのです。儲かったらなんでもアリでしょうか?

貸さない勇気が必要だ

アイフル問題・サブプライム問題で世間の話題になったように、そもそも信用力の低い低所得者向けの貸付には、社会的道義、判断が必要かと思われます。

いわゆる「貸さない勇気」です。目先の売り上げに盲目になり、利益至上主義が行き交う今の賃貸市況のあり方は極めて大きな問題です。そこに社会的責任が果たされていないと警鐘を鳴らします。

とりわけ、20歳程度では先々の支払見通しが甘く、われわれの業界よる「審査カンタン・敷金礼金なし保証人不要・初期費用格安」商品にて誘引し、借りてしまうケースが後を絶ちません。

事実、私自身もかつて京都の祇園周辺の歓楽街に従事する方々を数多く仲介し、保証会社に追い込みをかけられる姿を多く見てまいりました。

体を張った商売をされている方は、少し風邪でもひこうものなら、もう収入は途絶えるのです。

その責任の所在は、明らかに目先の利益だけに盲目となってしまっていたという教訓があります。そもそも貸すべきでない借主も多くいました。

信頼関係に至らないと判断するならお断りせねばなりません

私は原則的に「敷金礼金なし」商品にて保証人の立てられない方のお申し込みは控えるようにしています。

もちろんオーナーの利益を守ることにくわえ、そういった安易な申込を回避するためです。

その場を安易に取り繕うかのように易々と入居受付を行うことは、「早期退去リスク」を多分に含むことを意味します。

結果、再度の入居者募集に費やすコスト増は大きな運用損を招きます。

賃貸借契約は民法上、ホテル等のレンタルとは異なり、「中長期にわたる信頼関係」が重要視されます。

当然のことながらその信頼関係に至らないと判断するならお断りせねばなりません。

とはいえど、目先の売り上げももちろん大事です。綺麗事では飯は食えません。

失ってはならない理念があるはず

しかし、目先の利益だけに盲目となり、信用力の低い人への貸付が結果的にサブプライムローン問題という先般の世界同時不況をもたらした事実にも同時に目を反らすわけにもいかないはずです。

仲介会社・管理業者にも必達予算がある。そのノルマをクリアしようと必死の思いで仕事へ取り組んでいます。

でも失ってはならない理念があるはずなんです。

何か新たな事業を始める際には

「動機善なりや、私心なかりしか」
にて自問自答をする。

判断に迷う時には

「人間として正しいことをする」

自らの心に問うてみる。

稲盛和夫氏が著書の中で私に教えてくれたメッセージです。(下記参照)

オーナー様の利益を守るならばいい加減な仲介を施してはならない

空室にて期間が空くとオーナ様からは

「まだ入居者は見つからないのか」

上司からは

「早くしろ」

の圧力がかかります。当然です。

しかし、オーナー様の利益を守るならば、たとえ空室が一か月増えようとも目先の帳尻を合わせるかのような、いい加減な仲介を施してはならないんです。

賃貸課部署の責任者として、目先の利益だけを追っかけるようであってはならないと自身へは常々言い聞かせています。

本当の意味での「貸主の運用利益の向上」が史上命題です。

空室が埋まらない原因を長年の経験値やオフシーズンの問題だけに頼らず、戦略を見直したり、マーケティングを徹底解析したり、それが我々の命題でしょう。

業界の自主規制として「貸さない勇気」を徹底するべきと考えます。
今後社会問題を引き起こすことが目に見えた事象への警鐘です。

参考文献

生き方」 稲盛和夫 著

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